転職前に押さえておくべき「ブラック病院」の存在

数こそ多くはないが確実に存在するブラック病院

インターネットが発達し、特に専門知識を持っていない一般の人たちもあらゆる情報を容易に入手することが可能となったことで、ブラック企業の存在が世間に知られるようになりました。
近年では自殺者が出るほど深刻化しており、一種の社会問題と化しています。
病院やクリニックなどの医療機関で働く医師にとっては無縁なものと感じるかもしれません。
しかし、ブラック企業ならぬ「ブラック病院」も確かに存在していることは頭に入れておくべきでしょう。
これから転職に乗り出す医師であれば、自らの身を守るためにも、この類の知識は必須のものとなります。

決して数が多いわけではありません。
ただ、少ないわけでもなく、転職活動時の考え方や意識、手法等を誤ってしまうことで、そのようなブラックな病院へと入職してしまうリスクが高まるのです。
ブラックもそうですが、グレーと表現されてしまう医療機関であっても、もし入職してしまえばブラック企業同様、相当な負担を強いられることになるでしょう。

ブラック企業の場合、違法な業務を行っている会社もそれに含まれますが、病院の場合には違法な診療を行う施設もゼロではないものの、どちらかといえば労働環境に問題のあるところが多くなっています。
「確かに存在する」、それを認識することが、医師の転職の際にブラックな医療機関へと移ってしまうことの回避へと繋がるのです。

ブラックな病院の現状と今後を考える

では、どうしてブラックやグレーな医療施設が出来上がってしまうのでしょうか。
背景にあるのは、医師不足と利益至上主義です。

医師不足を解消するには、1人の医師に大きな負担を強いるしかありません。
そうした病院では少ない数の医療従事者で診療やその他の業務を行うことが常態化し、ブラック病院と化していくわけです。

医療業界全体を見れば少しずつ医師の数も増えてきているため、医師不足の問題に関しては今後解決に向かっていくと考えられてはいますが、病院間では医師の取り合いが続いている現状が依然あり、転職市場においても、求人数が多く医師の確保が困難な分野や医療機関が多数存在する状況はほぼ変わってはいません。
医師不足による劣悪な労働環境が改善されない医療機関というのは、まだまだ無くなる段階ではないのでしょう。

とにかく利益を上げることを最優先させる。
そのような考え方でもブラックな病院やクリニックが誕生してしまうことがしばしばあります。
特に自由診療を行っているようなクリニックではよく見られるパターンでしょう。
こちらに関しては、摘発されるまでは続ける可能性が高く、今後もなくなることはないと思われます。
転職を検討する医師が、それぞれの病院や診療所等を丁寧に見極めるしかないのかもしれません。